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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のねこねこのレビュー・感想・評価

3.8
「フレンチ ディズパッチ ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン別冊」
という名の総合雑誌(創刊1925〜終刊1975年)に集う個性豊かな編集部員の記事エピソード
・「確固たる名作」
・「宣言書の改訂」
・「警察署長の食事室」
を中心に、癖の強い編集部員を束ねる優しい編集長の死と、廃刊に騒めく編集部員の様子が前後に置かれた構成。

フランス風の衣食住をはじめとする文化、芸術、社会への愛着と憧憬満載の映像。
実写に加え、アニメーション、雑誌画面と、どこをとっても小粋でキュート。
シモーヌの制服姿や、ゼフィレッリのもしゃもしゃヘアー、ジュリエットのバイクとヘルメット、カーチェイスするうねうね道と、あげたらキリがないほどに。

そして、上質なユーモア。クスッと笑うこと数多。

物語性より以上に、お洒落なコラージュで作品を成立させるウェス・アンダーソンの手腕。
雑誌が1975年廃刊となる設定も、意味深だ。

✴︎メモ
・ティモシー・シャラメ!!
・レア・セドゥの見事な肢体
・ベニチオ・デル・トロのいい按配な狂気
・ティルダ・スウィントンのマダムっぷり
・出過ぎず、けれど存在感のあるビル・マーレイ
・スティーヴン・バーグの毒後感
・フランシス・マクドーマンドはやっぱり強烈
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