れん

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のれんのレビュー・感想・評価

3.9
ウェス・アンダーソンの憧れ、羨望の眼差しで見つめる世界観を全身で浴びる多幸感。計算され徹底的に統制された画作り。目で見る芸術情報過多な世界観に増える、動くキャラクター、上塗りされる情報に次ぐ情報。物語はページをめくるように左右へ横移動しながら巡り、平面的に見える画面構成にも上下、そして奥へと広がり、画面サイズも自由に変えながら立体感も持たせる。ストーリー1、確固たる名作の看守役のレア・セドゥと服役中の画家役、ベニチオ・デル・トロが素晴らしかった。また、この2人の奇妙な関係性、不思議な絆で結ばれている感じがとても素敵。全編にわたってとても芸術性が高く、監督の個人的な強い想いが込められた作品。
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