モモモ

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のモモモのレビュー・感想・評価

4.0
前作「犬ヶ島」はそこまでハマらなかったのだが、今作は個人的にジャストフィットなウェス・アンダーソン作品でした。
鑑賞中に「そうだそうだ。僕はウェス・アンダーソン好きだったわ」と幸福な気持ちが持続する108分。
とは言っても編集のリズムが常に一定で、崩す瞬間が本当に微々たる時間しかないので120分程の映画を観た体感時間ではあったのだが。
とにかく平面的画作りで、寄らずに、上品に、切り返し、パンして、スイッシュして。
スタンダードかと思いきや画面比率を縦横無尽に駆け回り、フォントで遊び、モノローグで遊び。
贅沢な情報過多を起こしていたので今すぐ2回目を観たい位だ。
3つの短編をまとめた様な作品なので厳密には長編映画の文法にはないのだが、オムニバスとも厳密には違うのでカテゴライズが非常に難しい。
序幕、1幕、2幕、3幕、終幕とお手本の様な構成にはなっているのだが。
ライター達が独白形式で「未来」に「過去」に起きた事を書いた「過去」の記事を振り返る特殊なシチュエーションがたまらない。
早口饒舌演技が全ての役者を輝かせていたが、その中でも特に心掴まれたのはレア・セドゥだ。
007でも思ったが、改めて、レア・セドゥは美し過ぎる。観ていて心が穏やかになってしまいます。
大人の情愛、若者の恋愛、親子の愛。
人が愛おしくなる優しい作品だ。
モモモ

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