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初恋のinazumaのレビュー・感想・評価

初恋(2020年製作の映画)
3.8
待ってました!
三池崇史最新作!
なかなかぶっ飛んだ作品でした。
ぶっちゃけ内容はどうであれ、新たな三池作品が劇場公開したってだけでもう満足なんですわ。

MVPはここでも評判の染谷将太。
オイシイとこ持っていくねーこの兄ちゃん笑。「そこなら良い、そこならくれてやる」は名ゼリフ。

本作は三池"初"のラブストーリーなんて宣伝されてますが、『神様のパズル』や『46億年の恋』、最近だと『喰女』もそうですが、これまで何本もラブストーリーを撮ってきてます。そして、そのどれもがバイオレンスに満ちており、人もよく死ぬ。バイオレンスは日常であり、あらゆる物語にはバイオレンスが付いて回る。こういった三池監督の思いが本作でも炸裂しています。本作は『初恋』というストレートに💕LOVE💕なタイトルとは裏腹にバイオレンスなアクション映画にしか見えませんが、三池崇史が真っ正面からラブストーリーを撮ったら必然的にこうなってしまうんです!監督がラブストーリーと言うならこれは完全なるラブストーリーなんです!

相変わらず役者(特に脇役)の使い方がお上手。無名な役者にもちゃんとスポットライトを当ててますな。
「負ける者(脇役)がいるからこそ勝つ者(主役)が引き立つ。負ける者を引き立たせることでまた新たなバイオレンスが生まれる」…これも監督がよく言うことですが、パンフレットのキャラクター紹介に無名な役者が演じる超脇役まで載せて、「誰ひとり欠けても、この恋は生まれなかった」なんて書かせるところにまた三池監督の愛を感じる。(三池組常連の名脇役・新妻聡が割りとガッツリ出てたのは個人的に胸アツ!)

残念だったのはホームセンターの使い方。ホームセンターでバトルロイヤルという展開は大好物ですが、あんなにいろんな道具が置いてあるのにまったく活用しないというのはどういうこと!?首も腕もちょん切っちゃってるんだから、もっとこう『ファイナル・デスティネーション』的な要素をバンバン取り入れてもいい、、いやいや取り入れるべきでしょ!ホームセンターなんだもの!三池さん、あんた針とかハサミとかそういうの好きなはずでしょ。
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