役者じゃない素人の放つ佇まい、そこにいるだけで、その人にしかないリズムを刻み、それが不協和音を響かせてて、居心地の悪さが良い。上手い、下手とかではない魅力。田辺茂一も横尾忠則も魅力的だった。横山エリの色気と現代的な雰囲気が良い。時折差し込まれる下から見上げるような縦画面のカメラワークが良い。
60年代のカルチャーをごっちゃごっちゃに詰め込んで、文脈も関係なしに路上にぶちまけた感じの混沌さ、陳腐さや軽薄が強調されている感じがした。特に同時代のカルチャーを扱う事は結構難しいと思う。観ていて、カッコいいだろ!分かってるだろ!って見せつけられてる気になって興醒めする。全体的に上滑りしている感じ。カルチャーやアートって文脈から切り離して、同一平面上で語っても、浅はかで陳腐にしか見えない。酒場での役者陣による性談義。役者それぞれの支離滅裂で底の浅い戯言に終始して意味不明。悪酔いしそう。悪酔いする程の酩酊状態のまま熱気、狂騒、軽薄、混沌を撒き散らしながら千鳥足で疾走している様な映画だった。