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幼い依頼人のUのレビュー・感想・評価

幼い依頼人(2019年製作の映画)
3.8
以前何処かでこの映画の広告を観ていつか観ようと思っていた。今日ふとマイリストを観ていた所、これが目に入りなんだか観ずにはいられず視聴。

視聴後の感想としては、これが実話だというのが本当に苦しい。この感情がまず湧き上がった。これは韓国で本当にあった児童虐待の事件を元にしているそうだが、気になってその元の記事を見た所、思わず目を背けたくなるような酷い虐待が綴られていた。映画の虐待のシーンでも見るに堪え無かったが本当にあった事件の虐待の方がもっと酷かった。

最後の韓国でのここ十数年での児童虐待事件数の増加が映っていたが、日本も例外では無いと思った。最近でもたった3歳の子に熱湯をかけて死なせたという継父が逮捕された事件があった。ただ実母や実父が虐待をしたケースももちろんあるとは思うが、継母や継父が虐待をしたケースの方が目に止まってしまうように感じた。

しかし、この映画の継母の最後のシーンを見る限り、この継母ももしかしたら同じ仕打ちを受けて生きてきたのかも知れないとも感じた。だからといって虐待が悪くないとは言えない。この負の連鎖はやはり第三者が止めねばならないと思う。

実の母に虐待され、児童相談所に保護されてもやはり母を求めて戻りたいという子どもがいるというニュースも見聞きするが、そういったケースの場合、激しい二面性を持つ母親で、自分が大人しくしていれば、お利口でいればと思う子どもも少なくないように感じる。きっとこのように考える子どもは虐待された記憶もある中、微量でも自分に対して愛を注いでくれたと思う記憶に縋るのではないかと思う。
そのような考えからもやはり目に見えない親の無数の愛情は本当に必要なのだと感じる。

近年急増している児童虐待の事件について非常に考えさせられる映画だった。
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