餅太郎

幼い依頼人の餅太郎のレビュー・感想・評価

幼い依頼人(2019年製作の映画)
4.2
義母による激しい虐待を扱う内容です。原題は어린 의뢰인(幼い依頼人)、2013年に韓国で起きた『漆谷継母児童虐待死亡事件』を元に作られた映画で、おおよその流れは実話のままです。韓国語のまとめサイト等には映画よりももっと酷い虐待内容の記述がありました。

虐待を題材にした映画は少なくないし、どんな映画を見ても辛い気持ちになるのは否めないけれど、この作品を見た時に「他人だからと見て見ぬふりはいけない」と強く感じた事が他の作品と大きく異なります。

劇中にジョン・ロールズ著書『正義論』の「親の地位や周囲の環境により格差が生じる社会は公正な社会とは言えず課題がある」という言葉が出てきます。受け入れるしか無い不可避な不幸に悩まされる人々に、特に子供達に、私たちは目を背ける事があってなりません。この映画が多くの人の目にとまる事を願います。

主演のイ・ドンフィをはじめとして、綿密なキャスティングと見事な演技、秀抜な作品です。
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