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はちどりのmkのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.9
ゆったり坦々とした日常を切り取ったような映画でありながら、無駄なシーンは一切なくて、強いメッセージ性がある。すごく良い映画。

家父長制、男らしさ、学歴社会に振り回されるウニ。その中で、自分を導いてくれそうな存在(ヨンジ先生)を見つけるも…
とにかくヨンジ先生のセリフが心にズバズバ刺さる。ウニのように心が動かされる。これらのセリフを思い出すために、またこの映画を観返すだろう。

「むやみに同情はできない。知らないから。」
私も、この映画に対して言えること。
ウニの気持ちは、映画からひしひしと伝わってくるけれど、全てはわからない。

「顔を知っている人は何人いて、その中で心をわかる人は何人?」
本心を知るってすごく難しい。親でさえもわからないし、それで時々不安になる。私は一人で行動するのが好きなのだけど、その理由の一つは、相手が何を考えてるかわからないから。汲み取ろうにも、わからないものはわからない。
そういう不安全てに寄り添ってくれるような、苦しくも、心が軽くなる映画だった。
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