ヤムチャン

はちどりのヤムチャンのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.8
思春期の人格形成への葛藤を感情ベースでTeenの女の子に演じさせたという一点に於いて素晴らしい。
お隣韓国での1994年の出来事にのっとっているので時代背景的な補足は多少必要ではあるが、学生時代の起こりうる日常に潜むシュチェーションを大袈裟な事件ではなく細やかな日常の延長描写でみずみずしく描く。
団地住まいの両親・兄妹家族、親友、異性付き合い、後輩、学校教育や教師と生徒、習い事、その他の自分を取り巻く人々との距離感、自身の揺らぎ、掴みどころのない十代の不安を個としての確立されていない時期の多感な部分を余すところなくスクリーンで追える。少女が抱いた得体のわからない信頼って、言葉では表現できないよなってやつを観せて頂きました。
最終局面の橋の崩落事故は世の中には絶対的なものは何もないということ、執着を軽くして踏み出すための滑走路的な機能を有しているように感じた。強く生きるために。