きー坊

はちどりのきー坊のネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2020年185本目。韓国の友人から薦められて気になっていたので鑑賞📽

見て2日経った今でも、色んな感想・考察が沸いてきてまとまらないけど、思春期の鬱屈とした気分や不安定さをナチュラルに描いていて、自分の学生時代を思い起こさせるような要素も散りばめられて良かったと思う👏👏

【感想】
1.世界の入り口
ウニ(キム・ジフ)は、父の固定観念を振りかざした振る舞いと、兄の暴力に辟易しながら、外で彼氏や親友と過ごす生活を送っている。だけど、漢文塾でヨンジ先生(キム・セビョク)と出会ってから、やり場のない怒りや悲しみ、不安を忘れるかのように柔らかい表情を見せるウニが印象的だった🧐
ヨンジ先生に対して、中学生のころに個別指導でお世話になった先生の事を重ねてしまって、どこか懐かしさを感じた☺️
学校の外で出会う大人の存在、とりわけ自分の話を聞いてくれる人って本当に大事だと思う💭

2.相識満天下、知心能幾人
「顔見知りは沢山いても、本心を理解してくれている人はどれほどいるだろうか?」…彼氏とか後輩との関係の変化とか見てると、この言葉がジワジワ効いてくる気がした😶

3.この世界が、気になった
ラスト、ウニが学校行事に出かけるために集まった同級生を見回す(?)シーンは印象的だった。少し柔い光が差し込んで、ウニの世界が開けたような感覚があった😌前半はウニとクラスメートとの関わりが薄く、学校におけるウニの所在の無さが感じられた分、殊更強く印象に残った💭
少し大人になって周りを見渡すと、周囲の人や物が違って見えて、何かが引っかかって心が動いたのかなという気がする🧐

家父長制の絡みになるか分からないけど、どこかへ行こうとするお母さんの後ろ姿に、不安に駆られて声をかけるウニのシーンも印象的だった。このシーンについてはもう少し考えたい🤔

似た作品でユン・ガウン監督の「わたしたち」という映画があるけど、「わたしたち」→「はちどり」の2本立てで見たくなった。もしくは、小学生のウニを主人公にしたらしい「リコーダーのテスト(리코더 시험)」という短編と合わせて見てみたい💭

変に瑞々しく描かれ過ぎていなかった分、思春期特有のヒリヒリした感覚を強く思い起こした作品だった。よい上半期の映画納めだった🎬
きー坊

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