メガネ割れ男

はちどりのメガネ割れ男のレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.7
人生以上でも人生以下でもなかった。

だから何?などと言ってしまえばそれまでかもしれない、物語としてのカタルシスは極薄の、やけに長ったらしい話なんだけど、作りが洗練されまくっていてかつ随所に味わいがあり、見た人の多くが感じたであろう日本とほとんど変わらない感(てか映画自体の空気感が最近の日本の作品にありそうな、なんかクリアにぼんやりした白っぽさっていうか、他の韓国映画よりアジア臭さ(無論それが持ち味でもある)がない感じがした)はたまた文化の違い(程度の差、みたいなもんかもだが)なんかを確かめ続けるだけでもわりと飽きない。なんだか知らんがその気になれば語る要素が大変多い。登場人物全員に様々な存在感と魅力がある。

どうやら監督とは同年代で、あちらの時代考証的にどうかはわからないけどポケベル(モトローラなのはおしゃれ過ぎ)だとかカルバンクラインのありがたがり方?とか他の国の話なのに自分にとってのノスタルジーにごく近く、悪さの感じにしてもなんか。でもまあビジュアルはけっこう現代風だったとは思うけど。

しかし主役の子が演技もいい感じな上にハチャメチャ美しく、私小説的なものだと思って見ていたのである意味これでいいんすか笑っていう。とか思ってたけど、そういうのとはやや異なるそうな。
メガネ割れ男

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