このレビューはネタバレを含みます
長編デビュー作とは思えない、映像作品としての完成度。
カメラを基本動かさず、一つの画面内の人物配置や画面外の空間の音で、言葉少なく雄弁に語られるウニが見る世界。
家族・友達・恋愛・学校といった大多数の人が自分を投影できる題材に、昔から現在まで地続きに存在する家父長制やジェンダーの観点が併せて描き出されていてキム・ボラ監督のとてもパーソナルな部分を観ている感覚に。
手術する事にはなるが結果的には大事に至らなかった右耳下にできるしこりと、ふとしたキッカケで兄に叩かれて破れた左耳の鼓膜は、予期していなかった事態とその被害の大小として、聖水大橋の事故そのものなのか。
主題として「何を」語るかに関しては凄く好みだけどそれを「何で」語るかという点で、そこまでどハマりはできなかった。
あの餅切ってる機械のリズム気持ち良くて、めっちゃ美味しそうやった。