ずっと少し靄がかかったような早朝のひんやりした空気を朝露と一緒に吸い込んだ時のような映像。
少し長くて、初めと終わりで主人公に劇的な変化がある訳では無い。でもそれは私たちが日々生きている日常のように過ぎ去っていく。
出会ってきた人の中で心を知っている人はどれだけいるだろう、これから増えるだろうか。
ウニの嘆きに怒りに古傷が悲しいほど痛む瞬間が沢山あった。
人は一人で、身近な家族のことも、彼のことも、ウニへ恋心を抱く彼女の気持ちも分からなくて、
他の人の事なんて理解出来るわけが無い。
そんな日々移り変わる中で奇跡の確率で出会った人と何かを分かちあったり笑いあったり、映画を見たり、ここで皆の感想を読んで共感したり心揺れること事がどんなに素敵なことなのか、。
自分よりずっと大人な先生の細い腰を力ずよく抱きしめるウニが愛おしくて愛おしくてたまらない。小さい頃に感じた大人の女性の柔らかさ、空気、匂い、母のような手触りが蘇った瞬間だった。
