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ブラック・ウィドウのEDDIEのレビュー・感想・評価

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
3.5
ナターシャの過去…アベンジャーズになるまでの道程と葛藤。
家族とは…本来の彼女を取り巻く環境、そしてアベンジャーズを特別視する所以。
予定調和的でドラマ性は乏しくコメディを半端に差し込んできた感はあるがアクションはさすがの臨場感。

さてさて、もはやどれだけ延期したのか…Disneyプレミアアクセスでの配信のみとなればMCUファンとしては発狂していたところですが、無事劇場公開されて良かったです。
とはいえ、公開館が限られていることもあり、場所によっては劇場に観に行けない人もいることでしょう。
うーむ、なんともモヤモヤするDisneyの方針…

まぁDisneyに対する愚痴はこれぐらいにしておいて、ついに公開された『ブラック・ウィドウ』について。

焦らしに焦らされた結果、面白い部分はあったし、MCUが劇場に戻ってきた喜びはあれど、やや物足りなさを感じてしまったのが正直なところ。

オープニングのマーベルスタジオロゴが出てくるところでは少し涙ぐみましたが、序盤の子役パートはちょっと退屈でした。
本編(現在パート)が始まってからも個人的にはなかなかブーストがかからず、中盤ぐらいからやっと少し面白くなってきました。

また全体を通してテンポが悪いとも感じました。
エレーナ役のフローレンス・ピューの演技力に助けられていた部分は多分にありますが、おそらく演出側の問題かなと思います。
ところどころ挟まれるギャグパート。確かに面白いんです。けど、本筋に関係ない上、流れが止まってしまうことでせっかく観客も笑ってくれるギャグを織り交ぜながらもなんだかもっさりした感覚を味わってしまうのです。

タスクマスターについてもキャラとしての掘り下げ甘さのせいで魅力が半減。
ここでは正体は明かしませんが、タスクマスターの背景描写不足だけでなく、相手の能力をコピーして使えるチートな能力であるにも関わらずその強さが後半になるにつれて尻すぼみになった点。
今回のメインヴィランかつ久しぶりの劇場公開MCUに登場したヴィランとしては何とも物足りませんでした。

とはいえブラックウィドウことナターシャの過去を探り、男性社会からの解放と1人立ちした女性として描くことで彼女がこれまでに背負ってきた様々な抑圧とそこからの覚醒をうまく表現できていたと思います。
これはさすが女性監督ケイト・ショートランドだからこそ深掘りできた部分なのではないでしょうか。

アクションについては斬新性は一切ありませんでしたが、バイクチェイスシーンや飛行機の空中シーン、そこから降り立ってからの近接格闘シーンと劇場で観たからこそ盛り上がれる要素は楽しめました。

あとはナターシャの家族として描かれるアレクセイ役のデビッド・ハーバーやメリーナ役のレイチェル・ワイズはとても良かったですね。
案の定、ギャグパートはテンポ悪いんですが、ハーバーの愛着湧くキャラクター性も相まって本作アレクセイはとても愛しい存在となっていました。
キャプテン・アメリカの好敵手という設定が全く活かされなかったことだけが残念でした…。

まぁ苦言の多い今回のレビューでしたが、やはりMCUファンとしては、MCU作品が劇場で観れることの特別感は感慨深いものがあります。
恒例のエンドクレジット映像では、ドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』を観た人には嬉しいサプライズが出てきました。まぁギリギリドラマを観てない人でも「なんか新キャラ出てきた」ぐらいでおさまるかなとも思えるので今回はセーフだったかなと。
ただ今後はこういうシーンが本編も含め随所に出てくる可能性は十分に考えられるので、Disney+民以外は受け付けない…があり得るのが心配です。

※2021年新作映画94本目
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