怠惰ァア

8番目の男の怠惰ァアのレビュー・感想・評価

8番目の男(2018年製作の映画)
4.1
韓国で2008年に導入された国民参与裁判制度(日本で言う裁判員裁判)について、サスペンスそしてコメディを織り混ぜた作品です。
初の国民参与裁判の8番目の陪審員として選ばれた男が、裁判の鍵を握っているという展開になっています。

この作品はただのハッピーエンドではなく、エンドロールに差し掛かるにつれ半ば皮肉っているかのように韓国の国民参与裁判制度の問題点を提起しています。国民参与裁判の導入によって、市民の意見も踏まえて多角的に審議することができるというメリットもありますが、国民参与裁判では無罪率が3割上がり、その制度の廃止に関しての議論もあります。ある人の人生に「有罪」か「無罪」かを決めなければならないという選択に迫られた時、一般から選出された法に詳しくない人は「無罪」を選ぶ傾向が高い。誰かの人生に「有罪」と決定することに重たい責任を感じ、それを避けたがる。という人間の心理をも表しています。

裁判のあり方や、人間の心理について考えることのできる作品で、すごくタメになります。
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