すごく、すごく面白かった!
韓国の裁判で、初めての陪審員に選ばれた8人。
最後に選ばれた8番目の青年の
「有罪が無罪か、僕にはわからない」から始まった真相究明。
自白と目撃情報によって有罪は確定的だと思われていた事件が、そこから動き出す。
裁判官にとっては、仕事として当たり前になっている判決を下すという行為。
それが、素人の「もし間違えたら、被告人の人生に大きな影響を与えてしまう」という、真っ当すぎる思いから動かされていく。
テンポ良く、時にコミカルなシーンも混じえながら描かれる物語だが、提起しているテーマは重い。
自白があれば、他の検証はおざなりにされてしまうこと。
冤罪が生まれる可能性。
それを覆し、無罪を証明することの難しさ。
人を人が裁くこと。
疑わしきは罰せず、という大原則は本当に守られているのか?
本当に?
時に、専門家でない普通の人の感覚が、
人を救う。
専門家でないから、見えるものがある。
自分がしたことの大きさを自覚していない主人公が、裁判所を後にして駆けていく。
それを裁判長の目が追っている。
いいラストシーンだった。
清々しさが、胸を駆け抜けた。