◆疑わしきは被告人の利益に◆
重たいテーマをコミカルさも加えて投げかけた秀作。
「12人の怒れる男」がベースです。
韓国で2008年に導入された国民参与裁判の初法廷(日本の導入は2009年)
急遽、陪審員になった8番目の男。
彼の"普通の感覚"がすごく良い。
・司法府・検察の"その界隈"では普通なこと
・人を裁くことにおいて麻痺した感覚
・肩書や貧富で人を判断する物差し
普通の青年はそれらに疑問を呈し、いつしか他者に影響を与えてゆく。
事件は多様でどの視点から捉えるかでまるで違う印象となるだろう。
司法はその性質上、真犯人を無罪にしてしまうこともある。
それでも「推定無罪」の原則は守られなければならない。
"疑わしきは罰せず"
この原則が揺らいでは、社会が根底から崩れてしまう。
人が人を裁くということは、常に危険をはらんでいる。
観る者に何かを考えさせることが出来たら、その作品は成功している。