ツクヨミ

映画はアリスから始まったのツクヨミのレビュー・感想・評価

映画はアリスから始まった(2018年製作の映画)
3.5
映画史から忘れ去られた初女性監督アリス・ギィを辿る旅。
1895年フランス、リュミエール兄弟がシネマトグラフを発表。その会に居合わせたアリス・ギィはいつしか監督を志していく…
初女性監督アリス・ギィに迫るドキュメンタリー。世界初の女性監督にして初めて物語がある映画を手がけたというアリス・ギィ。予告編にてめちゃくちゃ気になっていたが、いざ見てみるとやはりめちゃくちゃ映画史の補完になり良い勉強になった。
まず今作は今作の監督パメラ・B・グリーンが実際にアリス・ギィを調べていく過程を追い、それをめちゃくちゃ見やすく編集した探索ドキュメンタリーになっていた。実際のサーチングとアリス・ギィのインタビュー映像や音源.その他現代映画界に携わる人々の証言から語られるアリス・ギィの偉大なる所業が見えてくる。ただの記録媒体だった映画に物語を導入した、世界初の女性監督になった、後のヒッチコックやエイゼンシュテインに直接的な影響を与えた、クローズアップやカラー.トーキーの研究にも参加した、フランスからアメリカ時代まで1000本近くの映画に携わる又は監督するなどなどとてつもない映画巨人だったのだ。
そしてやはり興味深いのは多様なジャンル的なものを映画に導入したことだろう、コメディやドタバタアクション.女性差別に至るまで現代で語られる物語の大半は彼女が既に取り上げていたとも言える。ゴダールが"もはや映画でやるべきことは終わっている"と語るのも納得のサイレント時代の監督だった。映画史に興味がある方知りたい方は是非鑑賞を勧める。
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