言うほど悪くない。カンヌのコンペ作品でもかなり微妙な評価の作品だったので身構えたが、まあそれも分かるなと。
みなさん倫理的な欠点をあげてるけど、それはどうでもいい。映画だから。テーマに効果的に機能してれば全然悪いことじゃない。
撮影現場に行くところはよかったし、元恋人との回想を無作為に挟んでくるのもなかなかよかった。
しかし最大の欠点は、『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルホプロス、『ありがとう、トニ・エルドマン』『希望の灯り』のサンドラ・ヒュラーという演技派二人を全く生かせていないこと。撮影現場で三人が一同に会すシーンはなかなかカオスで楽しかったが、それ以外の背景や見せ場もないまま鬱々と終わってしまったのが残念。