エリア・スレイマン監督主演のコメディ。
スレイマン自身が、新作映画売り込みのために故郷イスラエルを飛び出して、ニューヨークやパリに旅をする物語。
現代のチャップリンと呼ばれる、スレイマンが混沌とした世界を独特の世界観で描いた作品です。
クスッと笑えるギャグを盛り込んでいるものの、描かれているテーマは辛辣で、ニューヨークでスーパーの店員がマシンガンで武装してたり、パリで街中をデカい戦車が走っていたりとなかなかすごい描写です。街中に人がいない光景もコロナで揺れる世界を描いてるかの様でした。
日本人と思われるカップルも出てきて、皮肉たっぷりに描いていて、苦笑いした。
スレイマンは、劇中ほとんど喋らず、周りのシュールな人たちを、ツッコミも入れず立板に水で流していくスタイルです。
今まで見たことがないタイプの作品で、かなり不思議なタッチでしたが、パレスチナの複雑な問題も絡ませていた、現代らしい作品でした。
