天国にちがいないの作品情報・感想・評価

「天国にちがいない」に投稿された感想・評価

や

やの感想・評価

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面白かったけど、その日の睡魔が異常だったのと、座席が見にくいうえに痛くてしんどかった。エリア・スレイマンについての前知識というか、リテラシーが必要とされている気もした。年代記しか観ていないので、何とも言えないが…。劇場公開されたらもう1回見ようと思う。

有楽町朝日ホール/FILMeX
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

【傑作にちがいない】
第21回東京フィルメックスにエリア・スレイマン最新作『天国にちがいない』がやってきました。エリア・スレイマンといえば『消えゆくものたちの年代記』、『D.I.』、『時の彼方へ』、そして本作と長編映画4本しか作っていないにもかかわらずデビュー当時から独自の映画文法を確立し圧倒的巨匠感を放っている監督である。パレスチナ問題をサイレント映画のようなユーモアで風刺するのが特徴的なエリア・スレイマンが第72回カンヌ国際映画祭でスペシャル・メンションを受賞した。そんな『天国にちがいない』を日本公開2021/1/29のところ一足早く観ました。

荘厳な儀式が行われる。群衆が扉の前に集まり、厳かな言葉を並べて扉を開けてもらおうとするのだが、中にいる人は「開けてやらないよ」と言い始める。なかなか開けてくれないもんだから、裏口から男を殴って扉を開ける。エリア・スレイマン映画はいつだってコントで始まるのだ。映画監督のエリア・スレイマンのナザレでの日常が描かれる。ニョコっとベランダから階下を覗くと、隣人が果物を勝手に取っている。しかめっ面すると、男は言い訳を始める。そして、別の日になると、その男が果物を育て始める。自分の果物を取るために果物を育てるのだ。一歩、家から出ると友人と思しきおじいさんに絡まれて、小話を淡々と聞かされる。林に入れば、女の人が3歩進んで2歩下がる牛歩で、甕のようなものを運んでいる。そんな滑稽な生活を押し並べ、彼はパリに出張する。

彼は映画を売り込みにパリにやってくるのだが、そこでも不思議な国が広がっていた。カフェのテラスで飲んでいるのに、突然警察官がテラスの採寸を始める。ごみ収集のおじさんは、排水溝をゴールに見かけてゴルフをはじめている。チュイルリー公園の池では椅子取り合戦が繰り広げられている、おばあちゃんがゆっくりゆっくりと椅子に座ろうと向かっていると、スポーツ用自転車をアクロバットに操縦し、座ってドヤ顔する者がいる。お尻を椅子に固定させてヤドカリのように歩く者がいたりするのだ。

彼はアメリカにも訪れる。銃社会とはいえ、街ゆく人が皆ゴツい銃を装備している。タクシーの中からはロケットランチャーまで飛び出すのだ。このように、エリア・スレイマンがここ8年ぐらいで感じた実体験をコミカルに映画に紡いでいく。彼はユーモアに全集中しているので、鳥とコントを繰り広げる場面を撮影するために、鳥20羽を調教する力の入れようだ。

サイレント時代、原始的な映画の面白さを全力で描く『天国にちがいない』は傑作にちがいなかった。
moon

moonの感想・評価

3.5
フィルメックスにて
パレスチナ版ユロ氏というか、シンプルなウェスアンダーソン、(画面が)明るいロイアンダーソンという感じ。
スレイマンの映画初体験だからか、正直初見ではあまりよく分からなかった。映像は好みだったのでよく勉強してからまた見直します
Terrra

Terrraの感想・評価

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観察と妄想と創造。スレイマン監督はこの作品のまんまの風景が見えているにちがいない!
ハッとする動きはだいたい3人組
東京フィルメックス、朝日ホールにて。

「パレスチナのムッシュ・ユロ、パリとNYへ行く」という感じだった。楽しいシーン(おもに雀)は多かったけど、セリフがあまりないため前提把握してないとわかりにくい所も。

オンラインQ&Aで何度もハエを払うスレイマン監督が映画の中と全く同じで微笑ましかった。

タイトルの意味はQ&Aでなるほどと理解。聞かないと分かりにくい…。『天国なんてそうそうない』というほうが分かりやすそう。

パレスチナ人は忘れるためにお酒を飲むのではなく、思い出すために飲むんだ、というセリフはとてもグッときた。
すー

すーの感想・評価

4.0
東京フィルメックスにて。

監督エリア・スレイマン自身が演者としてカメラの前に出て、常に困ったような無表情のような顔でナザレの街、そしてパリの街を眺めていく。傍観者としてただそこにいるエリア・スレイマンと共にただ日常の出来事を眺めている。

くすっと笑ってしまうようなシーンの連続、ゆるいコメディと思いきやそこに込められた日常に潜む問題にはっとさせられるストーリーテラーとしての美味さを感じさせる良作。
あ〜おもしろかったなぁ
映画でしかできない、個人的な話から普遍的な何かに近づいていくような感覚
sonozy

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5.0
イスラエル領ナザレ出身のパレスチナ人監督エリア・スレイマン、10年ぶりの作品。

カンヌ国際映画祭: 特別賞&国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)

主役はエリア・スレイマンご本人。
ほとんど感情を表さない飄々とした表情で(ほぼ無言で)、故郷ナザレから、“天国にちがいない”パリ、ニューヨークへ。

一応、自身の新作の企画を売り込むという目的があるようですが、無表情なので本気度低めです。笑

ナザレでも、パリでも、ニューヨークでも、エピソードがいちいち面白すぎる。

例えば、ナザレでは、勝手に庭に入ってレモンの木の収穫、剪定、水やりしてる近所の男がいたり、食事に入ったレストランでは何故かスレイマンを睨んでるヒゲの2人の兄が妹が頼んだ料理の件で店主にクレームつけてたり。

パリでは、地下鉄で全身タトゥーのヤバい男に睨まれたり、公園でベンチの確保合戦してる人たちなど。

ニューヨークでは、タクシーの運ちゃんにパレスチナ人だと告げると(スレイマンがしゃべるのはここだけ)、急ブレーキで止めて初めてパレスチナ人見たぜ!かあちゃんに電話だ!と大興奮されるし。。。

企画の売り込みはあっけなく失敗(プロモーター的な役でガエル・ガルシア・ベルナルも登場)。
ナザレに戻るスレイマン(空港でのセキュリティチェックのシーンも爆笑)。

ナザレのクラブのカウンターに座り、楽しそうに踊る若者を見つめるスレイマン。
パリもニューヨークも天国じゃなかったな。ナザレも悪くないか・・
的な表情に見えるような見えないような。

ナザレのオリーブ林で、頭に桶を乗せて運んでいる神秘的な女性と、パリのホテルの部屋に入ってきたスズメがMacで作業するスレイマンを邪魔する可愛いシーンも印象的。

隅々まで可笑しみに溢れた大好物な作品でした。
上旬

上旬の感想・評価

3.9
東京フィルメックス2020・特別招待作品

おもしろーい!オフビートコメディなんだけど、こんなにクスクス笑いっぱなしだったの久しぶりかも。

エリア・スレイマン監督は声を発しないので表情をみるしかないのだけど、その表情がなんとも可笑しい。

Q&Aで聞いたのだが、タイトルの「天国にちがいない」には皮肉が込められている。スレイマン監督はパリ、ニューヨークと世界を旅する。しかしどこも不寛容、武装など「パレスチナ化」している。どこへ行っても天国ではない、という意味で皮肉として付けられたタイトルだという。

内容はロイ・アンダーソン的なコメディなのだが、実は言いたいことは重く深い。この職人芸をぜひ堪能してほしい。

Q&Aでは結局最後まで蚊が監督のまわりとぐるぐる回っていて追い払うスレイマン監督がまるで映画の中と同じようで面白かった笑

あ、あと雀の名演技にも注目!あれはCGではなく実際の雀を事前に訓練して撮られたという驚き。
しを

しをの感想・評価

4.1
映画っていいな〜上映後のQandAのズームで自室にいるハエを気にしつつ笑顔で話すスレイマン、嫌いにならないひといる?どこにいたって結局地獄だし天国だ。
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