振り返る、それだけの動作に燃え上がるような熱情が籠っていることを知っている。
だからこそ。振り返らない、その覚悟を決めてしまった哀しさと意味が心を刺して止まない。
挿入歌の不穏な始まり、ホルガ村か？と思ってビビったけど、手拍子から徐々に声が重なっていく様子、その言葉にできないほどの美しさに身体の底から震えた。
登場人物の射るような視線と、絵画のようにひたすら美しい画面と、余計な言葉を一切排除して会話も最小限だったのが印象的だった。はじめの方の掴みどころがなかなか難しかったけど、最後にかけての盛り上がり、まとまり方、伏線の回収が完璧だった！終わってみたら全部意味しかないものだったと気づく、もう一回観たらもっと深いところまで理解できるんだろうなあって思う映画、つまり好きな映画。
