ぺんじん

燃ゆる女の肖像のぺんじんのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.7
やっ、やられた!見る側と見られる側の視線と思惑が交錯する、静かに燃え上がるような炎のようなドラマ。やはり「見る/見られる」関係を描いたドラマいえばトッド ・ヘインズ『キャロル』を思い起こすし、海岸近くの別荘といえばイングマール・ベルイマン『仮面/ペルソナ』だ!
「見る/見られる」関係が「欲望する/欲望される」関係に次第に重なっていくヒリヒリとした感じがたまらない!単なる女性同士の恋愛だけではなく、『ピグマリオン』のような芸術家と対象の物語とクロスしていくのがスリリングだな〜。
姉の自殺や下女の堕胎など、女性が直面する苦しみが細かく描かれてはいるのだけども、映画の中ではほとんど男性が出てこないのも印象的だった。簡単に悪役を設定しない分、構造的な性差の問題とそこへの抵抗がより浮き出てくるというか。
それにしても最後のシーンはたまらないな〜。色んな解釈ができるラスト!燃え上がり続ける炎!ブラボー!
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