えま

燃ゆる女の肖像のえまのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映像が絵画的でいいという話を聞いて鑑賞、前情報はほぼなかったがすごくよかった

情報通り映像の色も図も言わずもがなとても良かったし、女たちの感情やその時代のやるせなさのようなものが伝わってくる構成や良い意味での現実味がとても好感が持てた…父の名があってこその絵描き活動や性別による縛り、堕胎についてのあらゆること、男性が不在であること、女性が明確に資産として扱われた時代
物語で描かれがちな女性のドラマティックでヒステリックな感情表現が使われていないのが私にはとてもしっくりきた

不安定な精神の中での救いを求めるような愛情、お嬢様にとっては特に一時的なもののように感じるけれど子供が産まれ人生を分かつ先でも消えない感情を残す思い出、悲恋のパターンではあるけどそれをロマンスだけでは語らない物語で…ハッピーエンドだけが人生ではない
選べる人と言われた画家も縛りの中で生きていて…

抗えない設られた人生の先での再会についても…肖像画に描かれたページもそうだし、最後のシーンで堪えられない涙と裏腹に絶対に声を出さない、画家を見ない姿が傷ましくて愛おしい。あの時代で妻1人での観劇はなにか理由があるように思える。感情と理性がせめぎ合うよいラストだった。
えま

えま