ありこ

燃ゆる女の肖像のありこのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.5
フランス映画が得意ではないので導入で寝てしまわないか不安だったけど、暖炉のシーンから最後まで完全に没入してしまった。女性に人権がなかった18世紀のフランス。望まぬ結婚を強いられた貴族の娘と彼女の肖像画を描く女性画家の激しくも短い恋の話を描く。シンプルなストーリーなんだけど、なんだけど!演出が!音楽が!演技が!全部!最高でした!
特にオルフェウスの神話のくだりからラストシーンまでの流れが素晴らしく胸が震えるような高揚感を味わいエンドロールが終わってもしばらく席を立てなかった。劇中に視える聴こえる炎、薪、波、風の音、すべてに意味があった。振り向くか振り向かないかの選択はそれぞれ違えど、2人がこの恋をどう永遠の中に閉じ込めたのかという一途で大きな愛のかたちだったのには違いないんだよな..古典のような佇まいの映画。マジよかった。
ありこ

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