アラシサン弐

燃ゆる女の肖像のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.2
画面から二人に不必要なものが削ぎ落とされて清潔感に満ちてる。ずっと綺麗。

同性愛を描く映画には当人達が色々言ってくる社会と対峙するような作品が多い中で、そもそも社会から隔絶された場所での恋愛が描かれてるからこそ、女性同士の恋愛をセンセーショナルな視点で映さず、あくまで人間同士の恋愛の純粋さを描いてるように感じた。

エロイーズが見合いに行ってしまうタイムリミットがある故に、二人が愛し合う時間が尊いと共にとても切ないものに感じる。

二人が互いに相手の顔を見る視線が、前半の観察する視線から後半には恋人への愛情に溢れた視線に変わるのが良い。

あと終始女性しか登場しない綺麗なおとぎ話みたいな空間ゆえに、結婚や堕胎の要素が投入されていきなり現実に突き戻されるのがハッとする。
アラシサン弐

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