画家とモデル、決して叶わない禁断の恋の物語。
どの場面を切り取っても絵画のような美しさのある画面が見事。それは単なるカメラワークだけでなく、冒頭から最後のシーンまで1時間半以上徹底して画面に男性を映さないといった、ある種の信念の賜物であると感じた。
対象的なようでいて似ているふたりの女性の描写は見事で、官能的な場面構成も素晴らしい。惜しむらくは、台詞回しにあまり特徴がなかったところ。オルフェのくだりや28ページは大変良かったが、印象に残る台詞がもう少し欲しかった。
画家がモデルを観察しているとき、モデルもまた画家を見ている、という画家とモデルの親密な関係。いいですよねこれ。何度扱われても毎回いいなぁとなる題材。