クリーム

ポルトガル、夏の終わりのクリームのレビュー・感想・評価

ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)
3.6
舞台はポルトガルの世界遺産の街、シントラ。ポルトガル王家の夏の避暑地だそうで、詩人バイロンが「この世のエデン」と呼んだ美しい街。ロケーションが素敵過ぎて、何処をとってもうっとりする程美しい。衣装のカラーも計算し尽くされていて、まるで絵画のようでした。
女優フランキーは、重い病に侵され余命わずか。最後になるであろう夏の休暇を家族や親友と過ごそうと、シントラに呼び寄せます。彼女は自分の亡き後、愛する者たちが幸せに暮らせる様に段取りをつけたかった。しかし、各々問題を抱えている家族。フランキーと彼女の家族や友人のある夏の1日の物語です。群像劇なので、特に何か特別な事が起きる作品ではなく、美しい映像を楽しむ映画だと思います。





ネタバレ↓





元夫ミシェルが離婚後ゲイだと気が付いた話やジミーの娘シルヴィアとフランキーの息子ポールが、過去にやってしまった話等、なんかフランスっぽい。
結局、フランキーが目論んでいたポールと友人アイリーンのキューピッドは、上手くいかなかったけど、意外なカップルの予感をフランキーは、目撃する事となる。先に山頂を目指したフランキーが下の方を見るとジミーとアイリーンが、仲良く話しているのが見えた。どう思ったかは、解らないけど少なくとも嫌悪感は感じられなかった。
そう言えば、2人は「結婚の泉」の水を飲んでいたのを思い出した。彼らはただ喉が渇いて飲んでいたように見えたのですが、こんな構成があったのですね。何も起きない群像劇にちょっとだけスパイスを足してくれています。
そして、映画は世にも美しいエンディングへと続いて行く。私などが一生見る事のないであろう風景。家族、友人が美しい山頂へ向かい、降りて行くだけ。そして、誰もいなくなり、より一層美しさを増して行く。内容より、美しい映像を楽しむ映画なのだと思いました。
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