柏エシディシ

いつかはマイ・ベイビーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

いつかはマイ・ベイビー(2019年製作の映画)
3.0
「ワンダヴィジョン」「アントマン&ワスプ」のランドール・パークが気になって見始めたのだけれど、アリ・ウォンの魅力にノックアウトされてしまった。
気のおけないオトナの男女のラブコメとして「恋人たちの予感」の系譜に連なる王道なれど、人種やジェンダー、キャリアや男女の恋愛観のステレオタイプを所々逸脱する設定と作劇に唸らされる。
主演ふたりがアジア系という事から先ず「クレイジーリッチ」を想起させられる新しさ。
更に、男女の定型からは此方の方が自由で新鮮。
また、この作品、と言うかランドール・パークとアリ・ウォンの芸風とも言える、アメリカ的なアジア人のステレオタイプを揶揄し皮肉りながらもその偏見や思い込みを打破する知性やユーモアが愉快且つ通快。

ランドール・パークの惚けた佇まいと憎めなさがやはり魅力的。
バンドもコミカルだけれど、むっちゃカッコイイのな!(バンド名がYellow Peril黄禍論にかけたHello Perilというのもシャレてる)
まだ観れていない「The interview」でも北のあの人演じてるらしいし、今後もチェックしたい。
そして、アリ・ウォン!!
人物設定やとっつき難いルックス(失礼)から、実はかなり感情移入し難い主人公サシャをその知性とキャラクターで、途轍もなくセクシー且つユーモラスに演じている。
脚本も製作も兼ねているふたりの才能に出会えたのが本作鑑賞の最大の収穫。

中盤の「あの人」の登場は本作の白眉。大爆笑。
みんなFilmarksで書きすぎよ……w
自分は予備知識ゼロで観たので最高に嬉しいサプライズで最高に楽しかった。
それを受けての、プレゼントの様なエンドロールの歌曲を含めて、お腹いっぱい満足の一本。
柏エシディシ

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