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シー・ユー・イエスタデイのbopapaのレビュー・感想・評価

シー・ユー・イエスタデイ(2019年製作の映画)
2.9
2022年 24本目

酒場で話しちゃいけない三大要素「政治、宗教、プロ野球」とか昔はよく言われてました。要するに、楽しくお酒飲みに来てるのに価値観の分断をもたらすような議題を持ち込むなよ!という暗黙のマナーだったのかもしれません。


本作に最初に抱いたのはまさにそんなイメージ。タイムトラベルモノって聞いて再生してみたんですけど、こんなにガッツリ社会派テーマ入れる必要あります?社会派の話がしたかったらそういう映画観るんですよ?わざわざタイムトラベル物にこのテーマの比重を重くする意味あります?って。

カレーが好きなので、あ!ここにもカレー屋さん出来たんだ!って楽しみに行ったら急に「ウチはカレーもやってるんですが、プリンのカラメル部の有り無し、これについてはめちゃくちゃうるさいタチなのでカレーの中にプリン入れさせてもらってます!

って来店してから急に言われた気分。

タイムトラベル自体があり得ない夢想の話。だからそれをわざわざテーマで選ぶ人は、その夢想の世界のはちゃめちゃに浸って楽しい時間を過ごしたい筈なんじゃないかな。

多少の色恋沙汰とか性格悪い奴の自業自得なトラブルくらいなら受け入れるけど、今作のテーマとタイムトラベルは流石に合わなさすぎる。

鰻に山椒?てやんでぇ!多様化の現代なら鰻にはコンデンスミルクでぇ!と急にドバドバと合わない調味料振りかけられた展開が序盤続くので結構自分的にはしんどかったです。

終盤の展開はとても良いので、どうせなら最初からそっち方向のエンタメ路線で突き通してくれてた方が好みだったのかも。

あと、ラストをこちらの想像に全部お任せします的なのよりは、はい!ラスボス死んだ!はい!無事母親と再会!はい!地球救った!はい!金庫破った!の方がカタルシスはあるでしょうと思うので、今作のラストは完全に自分の好みでは無かったです。と言うのもモヤモヤの原因のひとつではあるかも。

ただ…今作、開始5分で出てくるカメオ出演の人が熱いのです!世界一有名なタイムトラベラーのあの人に「タイムトラベルかよ…んな馬鹿な…」と言わせる所が個人的にはいちばん盛り上がりました。
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