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レ・ミゼラブルのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.9
【作業中】
新任警官の為に先輩警官が街を案内して周る、序盤の展開から既に街にはびこる不平等、貧困、権力の腐敗、コミュニティ間の分断や緊張関係が、混沌が見て取れる。

引火ガスで充填した密閉空間では小さな火花でも爆発するように、この街では何かきっかけが有ればすぐにでも暴動に発展しそうな予感しかない。

市長と団地住民コミュニティ、イスラム同胞団、ジプシー達によるサーカス団。それぞれのコミュニティ間には、助け合いや理解が欠如している。要は分断されている。
物語の展開に合わせて力関係や敵対関係が変化していくが、どのコミュニティも社会の弱者にしか過ぎない。
あまりにも複雑に入り組んだ、巧みに仕掛けられた社会構造の中で、弱者と弱者がいがみ合うしかない。
レ・ミゼラブルというタイトルの意味。

本当に敵意を向けるべき強者は常に安全な場所にいて、弱者の声は届かない。
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