東京ポロロッカ

レ・ミゼラブルの東京ポロロッカのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
3.9
本年度アカデミー賞<国際長編映画賞>にノミネートされ、あの『パラサイト半地下の家族』がなければ受賞していたのでは?と(私の友人界隈で)話題になっていたフランス作品。
かの有名なヴィクトル・ユゴー原作のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』と同じタイトルですが、共通点は「パリ郊外のモンフェルメイユを物語の舞台としている」ことだけですので、知識がなくとも100%楽しめます。

本作では、モンフェルメイユを管轄する警察官チームと住民たちとの確執を描いています。
黒人の少年たち、市場の責任者、元裏稼業者の飲食店オーナー、サーカスを生業とするロマ民族...。
序盤は警察官チームに転属してきた主人公と同じ目線で、住民のパトロールから始まります。
我が物顔で闊歩し、横暴な素行を繰り返す同僚警官に嫌悪感を感じながらも、物語は淡々と進みます。
ですが、サーカス団員が飼育する子ライオンが黒人少年のいたずらで盗まれ、物語は急展開。
緊迫感が増していく中、とある事件が発生。さらにその現場をドローンで撮影してしまった少年が...。

昨今、黒人差別を取り扱う映像作品が増えつつある印象があります。
数日間パリに滞在した経験しかない私にとって、フランスはキレイで華やかなイメージでしたが、やはり人種問題は根深いんですね。
日本にいると感じづらい問題ですが、映画を通じて少しでも価値観を更新しないとな、と感じました。

ちなみに、私は本作の主人公が全く好きになれませんでした。
なので、ラストシーンでは、私はとある選択を願ってしまいました。
あなたはどちらの選択を願いますか?