魔女見習い

家族を想うときの魔女見習いのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.1
私よりもずっと必死に生き延びている人達が沢山いる中で、何故私は当たり前のようにまぁまぁの家に住んで、好きなものを食べて、ぐっすり8時間眠れるんだろう?とたまに思う。こんなことを四六時中考えてしまうと数日で自殺してしまうだろうから、たまに思い出す程度にしている。
でもケンローチの映画を観ると、イヤでも考えて考えて、頭の中がその事でいっぱいになってしまう。

「ちゃんと勉強して良い大学を出ないとあんな風になるのよ」「努力してこなかったからそうなったんだ、自業自得だ」
世の中にはこんな事を平気な顔で言う人間がいる。安心安全な外野からコートに向かって石を投げる人間がいる。
「運が悪かったんじゃないですか」
人間の尊厳に関わる問題を運で手短に解決しようとする人間もいる。

もし世の中が社会主義、あるいは共産主義だったら、リッキー達は家族の形を守れたんだろうか?
それとも理不尽な格差は人間が人間である限り付き纏うものなのだろうか…。
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