1号

家族を想うときの1号のレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.2
言葉が出ないほどつらかった。でも、素晴らしかった。ケン・ローチ作品の登場人物は、リアルに生きている。

普通の、善良な人たちが、困窮していく様子は、日本のわたしたちの社会にも確実に存在する、日常と重なる。
爆撃や流血のない戦争映画を観ているかのようだった。

家族の物語であり、極まった資本主義の、搾取されるワーキングプアの物語であり。ケン・ローチには怒られそうだけど、話題の『ジョーカー』と、まったく違うのに共通するところがあります。『ジョーカー』はエンターテイメント映画として、こちらはヒューマン映画として、どちらも傑作だと思いました。

この映画に出てくるような家族が、報われない社会は、社会そのものが不幸だと思う。報われる社会がいい。切実に。

タイトルは原題が良かったです。絶対(涙)。
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