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家族を想うときのsurataのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
3.8
ケン・ローチがイギリスの労働者階級の実情をリアリズムに徹して描き出すお家芸的作品。「わたしは、ダニエル・ブレイク」では、移民生活の苦しさの中にも、そこに手を差し伸べる第三者の存在が希望として描かれていて救いがあったのだが、今作は徹底して金ない、仕事キツい、息子グレるとひたすらに絶望を映し続けていたため、観ている間かなりしんどい気持ちになった。観終わってから反芻してみると、労働者が守られていない個人のフランチャイズ制を斬るという意図があったのかもしれないが、基本的には家庭不和の話で、社会に対してのアンチテーゼという役割は(これまでの作品と比べると)果たせていないのではと感じた。
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