ラストカットの運転する横顔が頭から離れない。『わたしはダニエル・ブレイク』もそうだけど、なにも好転しないまま唐突に終わる。終わり方が強い。
終始リッキーが仕事に対して誠実なのが良かった。最初「妻の車を売る」と言い出したときは無謀な人なのかと心配になったけど、そのあとはひたすら懸命に家族のために働く。現実的だし謙虚。それなのに状況が悪化していくのがみていて本当につらい。
マロニーは高圧的すぎ。本来、構造的な搾取の話なのに、マロニーのキャラがきつすぎて、こいつの属人的な問題もあるのでは?と思ってしまった。あと、息子のセブもちょっと幼稚に見える瞬間があった。もう少しセブの絶望感を描いてほしい気がした。
一番好きだったのは、娘のライザがリッキーの配達を手伝うシーン。ライザの「すてきな1日をありがとう」というセリフは泣けた。