葉の一枚もなくしゅっと伸びた茎に咲いた一輪の花を中心としたミステリ
表面的に事件は何も起きておらず、こちらから見ればおかしくなってしまった人々も一様に幸せそう
だけども真っ白いテーブルへ均等に並べられた真っ赤な花とそれを照らす紫のライトが織りなす空間や、日本人奏者による尺八や琴、和太鼓を使ったBGMの全てが不安を掻き立てます
映像が恐いか恐くないかはともかくとして、その色彩と音楽だけで不快感を増強する演出は『サスペリア』にも近いかもしれません
お話がわかりやすいか、そして面白いかは別として、刺激的どころか無機質な表情しか見せていないにも関わらず、ここまで嫌な気持ちになれるこの作品、好きです