Noncury

マティアス&マキシムのNoncuryのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
4.2
ずっと気になっていた作品を先日鑑賞。翌日もう一度鑑賞した。
冒頭、陽気な仲間たちで集まっているシーンはとても楽しげである。ドラン監督のこだわりでキャストは本当の仲間らしい。
予告からも印象的なキスシーンを境にマティアスの焦りやマキシムのもどかしさが伺えた。
裕福な家庭で育ち立派な仕事に就いているマティアスと暴力的な母の面倒を見ながら貧しく暮らすマキシム、2人の対比も時折胸に刺さった。
マティアスが焦りによって少々幼い態度を取ってしまうところに苛立ちつつも微笑ましかった。ちょっと焦り過ぎだろ、それは無いだろマティアス〜...と心の中でツッコミをいれつつ見ていた。
彼がマキシムを窓越しに遠くから見つめ、恋に落ちた時のような、穏やかな微笑みを浮かべていたシーンが好きだ。表情だけで「好き」だということが読み取れて心暖まった。
マキシム良いやつだもんな。母思いなのに、いざこざがあって激しい喧嘩して葛藤するシーンは胸が痛い。叔母から優しい子と言われていたけど本当に優しい子だと思う。そして眼差しが色っぽかった。
男同士の友情でも離れがたいと遠回りとか冷たい対応しちゃうのね。素直になれない。そんな心的描写が綺麗に描かれていた。お互いの心の穴が、互いの存在で埋まるといいな。
ひとつ気になる点は、高校時代に一度...のくだりかな。その頃にそういう気持ちは発生していたのかな?とか思い巡らせてしまった。
監督曰くテーマは決して同性愛ではなく男の友情、愛。これから、予期せぬ出逢いによって訪れた愛・欲望に対して、枠に囚われずしっかり自分と向き合って反応して行きたいな。
間と沈黙、音楽も含め美しい映画だった。ドラン監督の他の作品も見てみたいと思う。
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