フランスの巨匠 アニエス・ヴァルダ監督の遺作
“ヌーベルバーグの祖母”と呼ばれたほどの大巨匠 による映画に捧げた人生を刮目せよ
監督が自身の半世紀以上にわたる創作活動を情熱とユーモアあふれる口調で語り尽くし、貴重な映像とともに振り返った集大成的セルフドキュメンタリー
まるで監督自身は、これが最後の映画になるということがはじめからわかっていたかのようなトーンで語られ、文字通り集大成と言える素敵なドキュメンタリー
『アニエスの浜辺』をよりもひとつひとつの作品を更に深掘りし、自身の作品を振り返っていくので、彼女の作品を観ていれば観ているほど楽しめるご褒美的な意味合いもありますし、この映画をきっかけに興味を持つ方向けともとれる素晴らしいドキュメンタリーだった
毎度の事ながら、クリエイティビティに溢れる超一流の巨匠とは思えないほど、好奇心旺盛で親しみやすくてチャーミング
しかし半世紀以上に渡り生涯現役を貫いた彼女の、創作や芸術に対する情熱や熱意や向き合い方などを観ていると、映画の域をと凌駕する一人のアーティストなのだということがよくわかる
年を重ね、よりアクティブさが増した上に創造力がパワーアップしているような気すらしてくる
「劇場に観客が入らないなんて、映画人にとっては悪夢よ」
意図したものではないけど、まさに今の状況と重なるような言葉があったのも非常に印象深い
こうして振り返るとわかるように、彼女の作品は日本だとレンタルや配信どころか、販売すらされずに出回っていない作品がたくさんあるので、なんとか一つでも多くの作品が観られるようになって欲しい…🙏🏻
〈 Rotten Tomatoes 🍅98% 🍿86% 〉
〈 IMDb 7.9 / Metascore 85 / Letterboxd 4.0 〉
2021 自宅鑑賞 No.309 ザ・シネマ