ドスティ

エターナルズのドスティのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.6
冒頭から神話的で、主は与えそして奪う壮大な歴史SF。

代名詞の絵画のように美しい自然の風景から、存在意義を失い自らを形作るものを再び見出だす展開にオタクな設定まで、クロエ・ジャオらしさを堪能。

特に魅力なのはやっぱりキャラ同士の尊い関係性で、推しカプ多め。
MCUどころかハリウッド大作映画史上最も多様なスーパーヒーローが登場するのも最高。

実質的主人公は麗しきジェンマ・チャン演じるアジア系女性で、愛情深く他者に寄り添う人物ながらリーダーとして決断を下す。
カリスマ性あるリチャード・マッデンのイカリスは名誉と義務を重んじ、力で服従を強いる。

気は優しくて力持ちを地で行くマ・ドンソクのギルガメッシュと、アンジェリーナ・ジョリー演じる心を閉ざし冷淡な戦争の女神セナの友情が大好き!
巨漢の彼が強く脆い危険な彼女をケアする姿や俳優間のケミストリーが素晴らしい。

中高年女性が堂々たるヒーローなのも嬉しく、サルマ・ハエック良かった。
シリコンバレー以来クメイル・ナンジアニのファンとしては、パキスタン系の彼がボリウッドスターなのはダンス含めちょっと複雑だけど、幽白の霊丸的なパワーや付き人カルーン(人類代表が彼で幸い)との掛け合いは楽しいし、究極の選択に際してキンゴの選んだ道はとても斬新で印象深かった。

マーベル初の聴覚障害者ヒーローで宇宙最速のマッカリ役ローレン・リドロフと、心を操れるゆえ愚かな人間との関わり方に疑問を持ち孤立するドルイグ役バリー・コーガンは実生活でも仲良しらしく、いたずらっぽく笑う2人が超可愛い。

見た目は子供の天才スプライト役リア・マクヒューもチャーミング。
ペーパーボーイことブライアン・タイリー・ヘンリー演じる科学者ファストスと夫のキスシーンは大きな一歩。
ベン役はゲイで中東系のハーズ・スレイマン。
ナース・ジャッキーでS1限りの出演だったのは今でも惜しい。

救世主や殺戮者はいても勧善懲悪じゃなく、進化し続けるMCUのフェーズ4が今後も楽しみ。
ドスティ

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