このレビューはネタバレを含みます
戦闘シーンは息を呑むほどリアルで悲惨そのもので、観ているのがつらいほどだったけど、今まで観た戦争映画の中で一番好きかもしれない。
ライアン二等兵の兄3人が全員が戦死してしまったのは気の毒すぎるので末っ子だけはなんとしてでも帰してあげようとなるのはわからなくもないけど、そのために他の兵士を犠牲にしても仕方ないというノリにしか見えない上層部の連中の身勝手さには戦慄した。
息子を4人も亡くすなんて…でもそんなの人数じゃないはず。
一人息子を亡くした母親だってたくさんいたはず。
救出に向かった兵士たちにしてみれば、たった一人の人間のために何故自分たちが危険な目に遭わなければならないのか、自分たちだって親もいれば兄弟もいるのに…と思うのは当然の反応だと思う。
ライアンにしてみたって、じゃあみんなあとはよろしく!って感じで戦場を去るわけにはいかないだろう。
多くの犠牲を払ってライアンは帰還したわけだけど、ミラー大尉の墓前で自分の妻に聞いた「私はいい人間だっただろうか」という言葉がとても重かった。
生かされた人生、無駄にせず生きられただろうか…ライアンはずっと背負って生きてきたんだろうなぁ。
戦争は本当に悲しい。
今、現実にあちこちで戦いが起こっている状況を日々ニュースなどで目にしているだけに、より心に迫るものがある。