Takhio

朝が来るのTakhioのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
4.8
久々に引き込まれる映画に出会えた。

監督が良いのか原作が良いのか、きっと両方素晴らしいのだろう、脚本・演出・カメラワークもろもろとても気に入った。
「小説が原作」感が各所で感じられて良い。先の見えない感じは小説1ページ1ページをめくる感覚。

特別養子縁組がテーマの映画なんだと映画前半で思っていた観衆は、後半になるにしたがってテーマが広がっていくことに気づく。
観賞後には観た人それぞれ心に刺さるところが違うであろう映画になっていて、振れ幅の大きい映画で好きなタイプ。

ただ果たしてこれはミステリーなのか?
コピーの言葉選びは違うように感じる。

キャストも素晴らしかった。蒔田彩珠さん素晴らしい。中学生のあどけなさと、数年後の強さ脆さを孕んだ20歳前後?を両方演じ切っている。何の違和感もない。しかしひかりの親や親戚は許せんな!言葉が何もひかりに向いていない。全て自分のための言葉。
そうならないように私も気をつけます。

森田想がここにも出ていた、、、『タイトル、拒絶』で見たばかりだったのでまた見られて嬉しい。似たような役だけど、、、可愛いし演技上手いし素敵です。

特別養子縁組について知らないことが多すぎて少し調べてしまった。民間の仲介業者だと性別や病気や障害の有無をほとんどの場合選べないというのは知らなかった。自分で出産する場合もそうだから当然か。

ひかり あさと といった名前・カメラワーク・映画のタイトルまで、随所に光と陰を強調させる映画だった。スクリーンや大きいテレビで観るとなお引き込まれると思う。
Takhio

Takhio