るるびっち

朝が来るのるるびっちのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
1.0
ポイントを間違えると物事は伝わらない。
予告編では特別養子縁組をした夫婦の元に、謎の女性が子供を返してくれと現れた、さあ、どうする!! という話だと思える。
そこがポイントと思うから、何が言いたいのか解らなくなる。
実際はポイントが違ったらしい。
宣伝部が作ったポイントなのだろう。

子供を取り返しに来ると思っているから、前半がダラダラ長く感じる。
中々、取り返しに来ないのだ。
バットマン映画で、いつまでもバットマンが現れない感じ。
最初の子供同士のトラブルなど、無関係な話が続く。
無駄が多い。というより無駄しかない印象。

47分目に、ようやく謎の女性が現れる。
やっと本題に入ったか! 
と思ったら、そこから今度は少女の視点で、どうして望まない子を生んでしまったかの経緯が語られる。
そんなの察しがつくやろ、観客は大抵大人やで。
こちらの予想を遥かに越える意外な顛末なら良い。
だが、誰でも予測が付くレベルだ。

見所は子供返せと言われて、夫婦はどうするのか。
彼女は本当に生みの親か否か、だろう。
普通のドラマ感覚ならそうだ。
しかしドキュメンタリー体質の監督はそうではないらしい。
ドキュメンタリータッチで、リアリティとか細部を映してる感じだが、ドラマ的には無駄。
旨味のない、カスばかり撮っている。
ジューシーなカルビは捨てて、すじ肉ばかり盛られた感じ。

ドラマとしては大変陳腐。
ドキュメンタリーを装っているから、厳しい現実を映しているように錯覚する。ドキュメンタリータッチのせいだが、内容は陳腐。
ステキに見えた彼は、実はシークレットシューズ履いてましたって感じ。
高下駄監督である。
この監督の評判も、シークレットシューズじゃないかな?

肝心の子供を返しての顛末は、最後の10分程しかない。
2時間19分もあるのに・・・2時間無駄。2時間すじ肉。
しかも子供への未練や彼への思いとかではない。
まったく別の理由なのだ。子供の話と関係ない。
だから気の毒な少女にも同情できない。
子供への未練とちゃうんかい!
そんな理由かい。気の毒とは思うけど、話が薄いわ!!

これが『ジュラシック・パーク』ならどうよ?
恐竜を観に来て、前半1時間は博士がなぜ私が研究者になったかの顛末をダラダラ語る。
それで、やっと恐竜出るのか? と思ったら、今度は不幸な少女がどうして恐竜の施設で働くようになったかのありきたりな顛末を語る。
最後の10分だけ恐竜が出る・・・
そんな内容です。
ドキュメンタリータッチと、厳しい日本の現状で良い映画に見えてるけど、『バットマン』や『ジュラシック・パーク』だったら激怒すると思う。
日本人は雰囲気に騙されすぎる。
正体は、高下駄詐欺映画です。
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