どらどら

朝が来るのどらどらのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
5.0
-なかったことにしないで

一生懸命生きてるだけなのに
なんでこんな目に合うんだろう

青木崇高の担う役が、社会、そして実は僕たちそのものなのだ

きっと誰にも届かない声で泣いている人がたくさんいる

みんな心配するふりばっかりうまくて、
本当に向き合ってくれる人はほんの少しで

それでも
この映画は希望だ
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辻村深月×河瀬直美

この映画には、一切の嘘がない
現実とフィクション、自分とスクリーンの中
全ての境界が曖昧になる

だからこそ苦しい
だからこそ伝わる

ドキュメンタリーを観ているかのようなヒリヒリ感
誰もがスクリーンで、誰にも聞こえない声で泣いていた
そんな彼らを観て、ラスト20分訳もわからないまま涙が止まらなかった

蒔田彩珠、なんて苦しくて温かい目ができるんだろう
彼女がこの映画の全てだ
彼女の人生を追体験するうちに、どうしようもないやるせなさに呑み込まれる
そんな暗闇にさす、一筋の希望にきっと僕も救済されたのだ
これこそ映画だと、噛みしめながら

エンドロールは必ず最後まで見てください
♪必ず君にたどり着くよ

2021/10/1再見
二回目観ると、また初めから涙が止まらない
この時彼女はどんな気持ちだったんだろうか、って考えると直視できない
どうしたらよかったのか、やっぱり答えは見つからない
でも、彼女の人生は終わってない、間違っていないというこの映画のメッセージを、僕は全力で肯定したい
どらどら

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