さしすせ

カセットテープ・ダイアリーズのさしすせのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

1987年、マーガレット・サッチャー政権下のイギリス。地方のルートンで暮らすパキスタン系移民の高校生 ジャベドは、鬱屈した日々を過ごしていた。
保守的な大人たち、地域に蔓延る人種差別、家長制度や宗教観が厳格な父親との関係性、将来。
唯一の楽しみは、音楽を聴くことと詩を書くこと。

ある日同級生のシーク教徒ループスから借りたカセットテープで人生が一変するような衝撃を得る。
嵐の中で聴いた「Dancing in the Dark/Bruce Springsteen」。
「自分のことを歌っているんじゃないか」という共感、労働者階級としての価値感やその生き方への共鳴。
そしてジャベドは作詞活動や学生記者活動に通して同じように自身の言葉で自身からみた世界を語るようになる。

年齢特有、そして時代柄も相まって抑圧からの解放を渇望するジャベドに若かりし頃の自身を重ねるひとは多いのではないだろうか。

年代違い畑違いで知っている曲は少なかったが、自身の代弁者に思えるようなアーティストと出会った時の感動を思い出した。
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