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カセットテープ・ダイアリーズのLのレビュー・感想・評価

4.7
映画館で嗚咽が出るほど泣いたのは本当に久しぶり。去年のホテルムンバイ以来か。周りに人があんまりいなくてよかった。
父親との葛藤、窮屈な街から出て行きたい少年、抑圧、恋愛。出てくる要素がどれも普遍的であるし、似たような映画はたくさんあるのになぜか新鮮に感じた。
80年代という時代に生きるパキスタン人の苦悩やパキスタンという国柄が合わさって"抑圧"がより濃く反映されたからか。そこから出たいともがく主人公の気持ちがすごくわかるし、次第に自分の道を進もうとする彼の姿に涙が止まらなかった。しかも歌が全てその状況に当てはまっていて、実話が元になっているとは思えなかったほど。曲が流れるたびに涙が溢れてきた。これほど歌詞ひとつひとつの意味がじっくりと心に響いた映画は初めて。
展開も読めてしまうのに涙が止まらなくなったのはこの歌の力かなと思った。
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