きー坊

カセットテープ・ダイアリーズのきー坊のレビュー・感想・評価

3.9
2020年189本目。公開決定時から何となく気になっていたので鑑賞📽

1987年のイギリスを舞台に、パキスタン移民の少年・ジャベドが、ブルース・スプリングスティーンの音楽に影響を受けながら成長していく姿を描いた音楽映画。

【感想とか】
1.スパーク
落雷に撃たれたような衝撃を覚える音楽との出会いは人それぞれあると思う。多感な時期なら尚更、自分の置かれた状況とリンクさせて、アーティストの世界に浸かってしまうほどのめり込む事もある。だから、ジャベドがブルースに傾倒していく様子(歌詞に自分の状況を重ねてしまうとか、楽曲のテンションに引っ張られて走り出す感じとか)にはデジャヴを感じる。
「10代で聴いていた音楽が好みを形成する」と聞いたことがあるけど、ジャベドにとって、ブルースの音楽はずっと心の支えになるんだろうなと思った😌

2.奪われる拠り所
お父さんの気持ちも分からなくはないんだけど、流石にチケットビリビリは泣く😭
シチュエーションは違うけど、私も似た経験があってフラッシュバックしちゃったので殊更苦しかった。

3.Why am I here
ブルースに傾倒しすぎて、自分が「光で目が眩む」ような状態にあるのだと気付くジャベド。「自分が何者で、どこへ向かうのか」を掴んだと窺えるような(途中からの)台本なきスピーチに心が震えた。保守的な考えを持つお父さんと通じ合った瞬間の空気感も良かった👏👏そして、自分の指針を携えて、一歩を踏み出すジャベドの行く末が明るいものだといいなと思った😌

先日見た「ワイルド・ローズ」と、少しテーマが重なると思ったし、見た後の余韻は完全に「シングストリート」と似ていた気がする🧐

音楽は、いつでも人の心に寄り添っているのだと強く感じた青春キネマだった🎬
きー坊

きー坊