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Winnyのガクのレビュー・感想・評価

Winny(2023年製作の映画)
4.8
出る杭は打たれる。これが日本のIT技術が世界から遅れた理由だと思う。Winnyを開発した金子勇さんの実話。不当逮捕後の金子さんの人生を初めて知ることが出来た。逮捕時はメディアもこぞってネガティブな報道をしたが無罪になった時は知らん顔だった。

出る杭は打たれる。その理由は、知らないもの、理解できないものは怪しいと決めつける日本の風潮。社会も企業もそうだ。今だにクラウドサービスを禁止する企業も多い(今勤めている会社も以前の会社もそうだった)。ネットの海を今だに恐れている年配の方々。それでは何も生まれない。

Winnyが開発されたのが2002年。YouTubeが2005年。Twitterは2006年。突如、2chで公開された47氏こと金子氏は世界に先駆けネット共有を進化させたのだ。今のWEB3の技術に繋がっている。劇中で金子氏は、著作権の壁が壊れる、新しい著作権のあり方を作るべき、技術がそれを解決すると。まさに今のトークン技術によるNFT。20年も前に考えていたのだ。

天才と変人は紙一重。マイノリティに優しく、自由な世の中になって欲しい。
まさに今、公開に値する映画だった。

東出昌大は役作りの為に18kg体重を増やした。またメガネや時計は金子氏の遺品。少ない残された金子氏の映像を繰り返し見たと言う。佇まいが金子氏そのもの。普段の東出昌大の姿がどこにもない。凄い俳優だ。
憑依したその姿は、実の姉が会った時、号泣したと言う。
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