こさむ

Winnyのこさむのネタバレレビュー・内容・結末

Winny(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

実際の事件を基にした内容。
ファイル共有ソフト「Winny」の開発者である金子勇。
画期的なソフトだったはずだが、次第にWinnyを利用した違法アップロードが横行しはじめる。
責任を問われた金子は著作権侵害で不当逮捕され、デタラメな誓約書にサインさせられる。
その裏で、警察では偽の領収書による裏金作りが蔓延っていた。
理不尽な立場に追いやられた金子が、弁護士らの助けを借りて闘う。

本当に法律を理解しているのか怪しい警察官達に憤る。
序盤、知識がないとはいえ警察に言われるままに誓約書にサインする金子があまりにも甘く、正直そこでストレスが溜まってしまった。

金子が逮捕された裏で蔓延る裏金問題。
「皆やってるから」と偽の領収書を受け入れる警官。「俺もWinnyで無修正エロ動画観たわ」とか言っちゃう看守。
ほとんどの警察官に矜持が感じられない。あくまで映画なので脚色もあるかと思うけど、どこまで本当のことなのか知りたい。

判決により、金子は150万円の罰金を求められたがその後も争い続け、最高裁で無罪を勝ち取る。
だが金子はその1年7ヶ月後、急性心筋梗塞により帰らぬ人となる。
裁判中、金子は新たにソフトを作る権利を奪われた。
金子は優秀な頭脳を持ち、世界を変える力を持っていたはずだった。
だが金子の貴重な時間は、長きに渡る裁判によって失われてしまった。

これがノンフィクションなのが嫌になるし、ずっと薄暗い画面が続いて気が滅入る。
それでも他の邦画と比べて、音響がしっかり機能しているので観やすい。

事件の記録という観点で価値のある映画。
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