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性の劇薬のEPATAYのレビュー・感想・評価

性の劇薬(2020年製作の映画)
3.8
同性とか異性とかに限らず、映画の中の性描写があんまり得意ではないので最初の方はけっこうきつくて観るのをやめようかなとも思った。

ただ最後まで観て思ったことは、この映画は同性同士じゃなくても成り立つが、紛れもなく同性愛の映画だったということ。

これけっこうすごいことをやっていると思います。

で、それを踏まえるとあのわざとらしい台詞回しとか、大袈裟な性描写といったものも、もちろんピンク映画の系譜だからというのもあるんだけどそれ以上にリアルにより過ぎないバランスにする効果があることに気づく。

この話でリアルに寄りすぎると悪い意味での同性愛映画になってしまうので、さっきいったような「同性同士じゃなくても成り立つけど紛れもなく同性愛の映画」にはならないんですよね。

で、LGBTQ映画として今までみんなが疑問を抱くこともなく消費してきたお約束を入れつつも、それを壊す希望の着地になっているのは素晴らしい。

社会の端っこにいる人たちの希望の物語にちゃんとなっているんですよ。

性描写のところなどに目がいきがちで低評価が多いけど、僕はすごく良い映画だと思いました。
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